日本のオフィス作りブログ

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【フィンテックに学ぶ】企業のIT化は、どのように進むのか?

先月は「不動産」業界に学ぶ、最近のIT事情についてお伝えしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか?思いのほか、メルマガを購読頂いている方からの反応も良く、中小企業においても、関心事の高いテーマであると感じました。

本日は、引き続き他業種に学ぶという観点で、「フィンテック(FinTech)」がうまくいっている成功要因についてお伝えいたします。


先月お伝えした「不動産テック」と、「フィンテック」では、「フィンテック」の方が、馴染みのある方が多いのではないかと思います。

フィンテックとは、金融(Finance)と技術(Technology)を掛け合わせた造語ですが、従来の金融機関では提供できなかった領域をIT技術を活用して提供を可能にした革新的な動きを指します。

身近な例では、スマートフォンなどを使った送金もその一つです。2008年頃からアメリカにおいて認知が始まり、2015年頃から日本においても、認知が加速度的に広まってきています。


国内のフィンテック市場規模は、拡大しており、
2017年には1兆円規模となり、
2021年には1兆8千億規模まで
拡大の見通しとなっています。

(引用:プレスリリース)

かたや、不動産テックの市場規模は、2017年度で3800億円規模。
将来の展望としても、現時点では、フィンテックレベルの市場になるという見通しは出ていません。

では一体なぜ、
この両者の違いは生まれたのでしょうか?

そのポイントをさぐっていきたいと思います。かなり大局的な話ですが、私達の企業を将来を見渡す上でも、知っておいた方が良いポイントだと思います。

まずは、こちらをご覧ください。

 

不動産業界はIT化のあゆみが遅い・・?

 



こちらは不動産業界の専門紙による記事です。

先述した市場規模の比較からも見てとれましたが、不動産業界においても、「不動産テック」のあゆみは遅く、決して進んでいるとはいえない。という見方をされています。

IT市場規模が伸びている「フィンテック」。「不動産テック」の違いは?


両者の違いは、「技術の革新(イノベーション)」が起きているかどうかにあります。
(もちろん技術の革新が起きれば、市場が活性化されるのはいうまでもありません。)

ではなぜ、IT業界の革新がフィンテックでは起きたのかというと、実は「データ」に互換性があったという点があげられます。

これは、重要なポイントで、金融機関では、幸いにも各社において元々、保有しているデータの種類やデータベースの仕様が整っていたため、革新を起こしやすかったのです。

かたや、不動産業界においては、不動産管理会社が独自にIT化を促進し、業務最適化を進めていった結果、各社が保有しているデータに互換性がなくなってしまっています。

そのため、新たな革新を起こそうにも、
データベースの土壌を整えるにあたり、多大な労力と負荷がかかり、
イノベーションが起きにくいという現状になっています。

つまり一言でいうと、
・フィンテック・・業務の革新を起こすためのアイデアに向き合う時間が多い
・不動産テック・・フォーマットの違うデータに苦戦

という構図が出来上がっているため、不動産テックは、良いサービスを生み出すのに道のりが長くなってしまうのです。

不動産テックのおかれている状況を解決する方法として、データのフォーマットを業界で統一していく流れが必要ですが、
これはある意味、不動産業界を支えている、各社のITノウハウの流出という懸念もあります。

不動産業界の将来の発展を考えれば、恩恵は大きいのですが、各社の状況や立場を考えると、悩ましい問題でもあります。

 

フォーマットの統一で得らえること

まとめると、この話は、昨今中小企業において、広がりを見せているRPA(Robotic Process Automation)導入に関する注意点と関連しています。


もちろん、御社においても各業務のフォーマットが統一化されると、業務の可視化が、極端に進み始むのは言うまでのありません。

しかし、言葉でいうのは簡単ですが、フォーマットの統一は大変難しく、現在、社内においても様々なフォーマットのデータが存在している企業が多いと思います。

Aという業務は、Bというソフト。
Cという業務は、Dというソフトというように、
乱立していることがほとんどではないでしょうか?

昨今、BCPの流れに沿って・・

業務内容のログをパソコン上に記録して、資産管理を行うことで、万が一の際に、業務がストップしないように対策を講じる動きも活性化されていますが、ただ単にログを取るだけでは不十分です。

ソフト間のフォーマットの違いという壁を認識した上で導入していくことが最適だと思います。

IT化は企業に多大なるメリットをもたらしますが、導入において、知っておかなければ、効果が半減してしまうことも多々あります。

本日は、不動産テックとフィンテック、両者の違いを例に、最近のIT事情をお届けいたしました。
大切なことは、ただ単にソフトや機器を導入するのではなく、ITで何が出来るのか、現状を知った上で、最適な手を打っていくことです。詳しくは、導入前に一度ご相談頂ければ幸いです。


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