【あれから2年半・・】ストレスチェック制度義務化後の問題点
平成27年12月1日に労働安全衛生法が改正されてから、間もなく3年が経とうとしています。 この時期はメンタルヘルスに関する時代の変化が大きく、これまでとは変わり、企業の安全配慮義務においても物理的な事故だけなく、「東芝うつ事件」が初の例となり、そこからメンタル不調に関しても、企業が敗訴し責任を問われやすい時代となってきました。 そのような時代の背景の最中に、厚生労働省は労働安全衛生法の改正を行い、50人以上の規模の事業者に関しては、「ストレスチェック」を義務付け実施しました。これにより、メンタル不調者の早期発見と、メンタル不調の未然防止に努めるよう流れを作ったのです。 あれから月日が経ちますが、この制度の取り組み開始から、私達はどのようなステップへと進んでいくのが良いのでしょうか? そのヒントは以下のレポートにありました。この情報は、大手企業だけでなく、全国の中小企業において重要なテーマだと思います。 ストレスチェックを実施してから1年半が経った頃、厚生労働省から、ストレスチェック制度の実施状況に関するレポートが出されました。 こちらが資料のダウンロードURLです。 多まかに要約すると、50人以上の企業で実施したのは、全体の82.9%、1000人以上の規模となると、実施率は99.5%となりました。 そして、高ストレス者に対しての医師による面談指導を受けた労働者の割合は、全体の0.6%との結果が出ています。 厚生労働省が作成したストレスチェックの採点表では、全体の10%の労働者が高ストレス者と判定を受ける想定でした。 しかし、実際にそこから医師面談を受けた労働者の割合は、想定以上に少なかったのです。 この医師面談の実施率の低さが、重大なテーマとして現在様々ところで解決策が議論されています。 高ストレス者が医師面談を行っても、社内で対象となった労働者の評価において不利益を被ることはありません。しかしながら、医師面談を避ける労働者が圧倒的に多かったのも事実です。 では、医師面談は不要なのでしょうか? その答えはNOだと思われます。その理由は、全体の0.6%の労働者が医師面談を希望した事実があるからです。 当社もメンタルヘルスの事業の関連で、提携のクリニックがいくつかありますが、医師面談を希望された方の中には、本当に重篤で、SOSのサインを出していた可能性が十分に考えられます。 そのような方へ門戸を開く上で、医師面談は大きな役割を担っていると考えます。 外部との面談はハードルが高く、常に社内にいないため、労働者との接触機会は少なく、未然にメンタル不調者を発見しにくいとも言えます。 そのような中でキーとなるのは、上司・同僚・部課といった社内のメンバーです。 専任の部署までおかなくても、企業の研修でメンタルヘルスに関する知識を高めたり、一次対応の方法を知っておくことは、重要です。 もしくは、定期的に社内へ訪問し、社内のメンタルヘルス対策レベルを上げていくコンサルティングも効果的と言えます。 以上、メンタルヘルスに関する、これからの傾向と対策についてお伝えいたしました。
厚生労働省の追跡調査(平成29年7月)
この統計からわかること・・・
これからの傾向と対策は・・・